ギターやアンプのリペアショップを営む庭野仁司

庭野仁司は中学時代に、練習の無い日は同じ部活の仲間の家で過ごすことが日課でした。その友達の家には2つ年上のお兄さんがいて、バンドでギターを担当していました。部屋で遊んでいると、隣の部屋からエレキギターの音が鳴っているのが聴こえ、それを聴きながら、ひそかな憧れを抱いていたのです。

高校生になった庭野仁司が最初にしたことは、アルバイトを探す事でした。目標は、近所のリサイクルショップに置いてあった7万円のfender社の真っ赤なストラトキャスターです。ゴールデンウィークに泊りがけのアルバイトを行い、目標金額に達成した庭野仁司は、欲しかったギターと中古のアンプを購入しギターにのめり込んで行きました。

庭野仁司が最初に購入したストラトキャスターは、三点式でハーフトーンが出ない他、ネックやサドルが調整されていなかったので、非常に使いにくい物でした。新しいギターを購入する予算もない庭野は、図書館や楽器店に通い、ギター本体の仕組みについて勉強しました。アルバイト先の練習スタジオにはギターの修理などに詳しい先輩もいたので、徐々に知識を深めていった庭野仁司は、せっかく買ったストラトキャスターを一度、全部分解し組み直して行きました。その過程で、さびているコマやスイッチャーを新品の物に変更し、ようやく弾けるようになりました。

しかし、一度手を入れたことで楽器としてのポテンシャルが向上した感動が忘れられずに、すぐに他の部分の修理を行いました。分厚い塗装が施されていたボディの塗装をはがし、薄目のラッカー塗装に塗り直しました。ネックの指板もうねっていたので、一度フレットを外し調整を行いました。そんな事を繰り返しているうちに、演奏よりもリペアの方が楽しくなってきてしまいました。

高校時代は軽音部の仲間のギターやベースのピックアップの交換や、調整などを行いつつ、アンプの真空管の交換や、ファズなどのオリジナルのエフェクターを制作したりしていました。

卒業後、都内のギターリペアの専門学校に通い、卒業後、すぐに自分の店を開きました。店と言っても実際の店舗では無く、自宅を改造した店舗ですので初期費用はかかりませんでした。インターネットでオリジナルのエフェクターや、リペアしたギターなどを紹介したところ、お客さんが増え始めプロの方からの依頼も来るようになりました。

中でも世界で最も有名なBOSSのエフェクターのモデファイは人気で、これまで30個以上販売しています。人気のリペア職人になった庭野仁司ですが、この春からオリジナルのアンプの作成もはじめ、徐々に客層を広げています。だからと言って必要以上に大きくする事は考えずに、自分の手で出来る範囲内でしか仕事を受けないスタイルは変わらず、これからも拘りをもったリペアショップとして、ギターに携わっていくことでしょう。

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